介護施設や福祉施設、保育園、療養施設など、多くの人が日々生活を共にする場所では「食事」がとても重要な役割を担っています。
栄養バランスや味、食べやすさ、そして安全性。その全てを満たすことが求められる給食は、現場の職員にとって大きな負担になることもあるのです。
そんな中、近年注目されているのが「チルド食」の導入です。冷凍でも常温でもない“チルド”という選択肢が、施設給食にどのような価値をもたらすのでしょうか?
施設運営の視点からチルド食のメリットを掘り下げてみましょう。
1. 安定した品質と衛生管理が可能
チルド食は、調理後すぐに急冷し、0~5℃のチルド温度帯で保存・流通されます。これにより、細菌の繁殖を抑えながら、食材の風味や栄養を損なわずに届けることが可能です。
施設では、衛生管理が何よりも優先されます。チルド食はHACCPなど厳しい衛生基準に基づいて製造されているため、施設内調理に比べてリスクが低く、安全性が高いのも大きなメリットです。
2. 調理業務の負担を大幅に軽減
施設での手作り給食は、仕込みから盛り付けまで人手も時間もかかります。特に高齢者や子ども向けのメニューでは、刻み食やアレルギー対応など個別対応も必要で、調理スタッフの負担は大きくなりがちです。
その点、チルド食はほぼ完成された状態で納品され、温めるだけで提供可能。調理工程を大幅に簡略化でき、業務効率が上がるのはもちろん、職員の人員不足や調理ミスの防止にもつながります。
3. 栄養バランスのとれた献立が簡単に組める
多くのチルド食は、管理栄養士が監修した献立に基づいて作られており、栄養バランスにも優れています。さらに、和洋中様々なジャンルの料理が揃っているため、マンネリになりがちな献立にも変化をつけやすく、利用者の食欲を刺激します。
また、献立表にはエネルギー・たんぱく質・塩分量などが明記されているので、食事管理の面でも非常に便利です。
4. 安定供給とコスト管理がしやすい
チルド食は計画的な仕入れができ、保存も一定期間可能なため、食材のロスが出にくく、在庫管理もしやすい点が魅力です。また、急な人数変更や災害時にも柔軟に対応できるよう、ストック食としても活用可能。
人件費や光熱費の削減にもつながり、トータルで見るとコストパフォーマンスにも優れています。
5. 多様なニーズに応えやすい
咀嚼力や嚥下が低下している高齢者には「刻み食」、アレルギーのある子どもには「除去対応食」など、個々のニーズに合わせたチルド商品が増えています。これにより、個別対応の手間が軽減され、安心して食事を提供できます。
〜まとめ〜
施設の給食現場は、「安全でおいしい食事を提供すること」と「限られたリソースの中で効率的に運営すること」の両立が求められます。チルド食は、そのバランスを実現できる有効な選択肢です。
調理スタッフの負担を軽減しながら、利用者にとっても満足度の高い食事を提供できるチルド食。ぜひ一度、ご検討ください。